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    写真家、ウィル・マクブライドを知っているだろうか?

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    2015年1月29日、一人の“アーティスト”を失った。

    写真家、ウィル・マクブライド。

    他のアーティストたちと比較したとき、彼の作品は過小評価されていると言わざるを得ない。出版先を見つけられないでいる本、発表する場が見つかっていないインスタレーション。こんな現実を目の当たりにすると、現代社会は冷酷さの塊のようにすら思えてくる。

     

    Photographer Will McBRIDE


     

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    消費者ばかりが溢れかえっていて、皆がファンシーな服を身に纏い、お金儲けばかりに夢中になり過ぎだよ。

     

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    好きな時代はいつだって今だよ!僕らは過去に生きているんじゃない、今を生きているんだから。今日も僕はせっせと仕事をし続けるだけ。それが僕の日課で、仕事以上に好きなものなんて僕にはないんだよ。

     

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    世の中は本当に酷い状況で、誰もが現状に対して善いリアクションをとっているとは思えない。例えばプーチン。彼に対して挑戦的に反応していくよりも、上手くやっていく方がベターだと思うんだけどね。パレスチナ問題にしたって、地理的に考えてどうにもならない状況なのに…。異なる国、異なる都市、異なる宗教であったとしても、皆が一緒になれればいいと思うんだけどね。彼ら双方が一緒に住めるような国を僕だったら作りたいと願うよ。

     

    Will McBFRIDE10

     

    大多数であれごく少数であれ、見据えたターゲット層に対してリスクを背負い、責任を持って「発言」していくことを生業にする職業がアーティストだとすれば、現代アーティストの大半をアーティストと呼ぶことはできないのではないだろうか。アートビジネス界において「アーティスト役」を担うことのできる人材は星の数ほどいるが、真のアーティストとはそんなに簡単に出会えるものではない。自分自身の人生に誠実に向き合い、一人一人の人間の存在を重んじ、必要以上の金銭を得ることに決して欲情せず、そして時に冒険的に歩んできたウィル・マクブライドこそ、真のアーティストだと確信している。

    ティーンエイジャーたちが戦うことではなく、富や名声に惑わされることもなく、愛することを学ぶことができる時代。それが次の世代へと伝承され続け、戦争という言葉すらが消滅する時代。未来がそんな時代になることを夢見ながら、ウィルは深い眠りについた。

     

    “Young boys are taught to kill,
    instead of being taught love”
    「若者たちは人の殺し方を教わるんだよ!人を愛する代わりにね」

     


    Will McBFRIDE11Will McBRIDE [ウィル・マクブライド]

    1931.1.10 ~ 2015.1.29
    ノーマン・ロックウェルに才能を見出され、イラストレーターとしての才能を開花させる。1953年にドイツへ移住。1961年より「Quick」「twen」といった雑誌専属フォトグラファーとしての活動を始める。その後はスカルプチャー作品の制作も手掛け、1995年からは反戦をテーマにした「NOWAR!MONUMENT」シリーズの制作に着手。