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    バーキンをジュース感覚で買うな! ~エルメスとの正しい接し方~

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    最近、「エルメスは純金より投資価値がある」という試算結果が発表された。
    これは、特にバーキンに言えることだが、需要に対し供給が追いついていない、つまりは世界中で欲しい人がいるということだ。

    ファッションは自由であるし、誰からも文句の言われる筋合いのない権利みたいなものだが、100億円持ってる大富豪が、200万円するエルメスのバーキンをジュースを買う感覚で買ったって似合うものでもない。

    実体験として、そういった200万円のバッグが似合う人には、それなりの知識と心構えがある。今回はブランド品に使われないための、「ブランド品を持つ心得」をエルメスを題材にしてご紹介。

    クローゼットが、ブランド品ばかりの方。
    ここ10年、ラグジュアリーブランドの財布しか使っていない方。

    必見です。

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    <エルメスを持つということ>

    なぜ、エルメスに魅せられるのか

    エルメスに惹かれる理由は、一口では言えません。気品、デザイン、機能、歴史などが総合的な魅力でしょうか。

    私は、ただエルメス製品そのものを手に入れればいいのだとは考えていません。エルメスを手にするには、それなりの背景と心構えとプロセスが必要だと考えます。

    アメリカでもヨーロッパでも、上流階級の人がエルメスを買い求めるのは、単なる「モノ」としてのエルメスではないのです。ずいぶん多くの人を見ていますが、ほとんど例外はありません。では、どういう考えで買うのでしょうか。

    その人たちは、暮らしのステージの象徴として「エルメス」を買うのです。その人たちにとってエルメスを持つということは、暮らしのレベルがそこまで上がったことの証として自分にご褒美をあげる「コト」なのです。単なる「モノ」ではないのです。

    別のたとえでご説明します。私は超一流と呼ばれる料亭で食事をする機会は、めったにありません。でも、もしその機会があればどうでしょう。わくわくしますね。

    仮に誘いを受けた場合、その日突然の誘いでもうれしいですが、前もってその日を知ることができれば、その日までの日時を、指折り数える楽しみが増すことになるに違いありません。

    食事には、いろいろな目的(コト)と方法(モノ)があります。短時間に一時の空腹を満たすためなら、コンビニのおにぎりでもハンバーガーでも間に合います。1~2時間の余裕があれば、ファミレスを利用することもできます。でも、何かの記念日や大事な接待なら、おにぎりやファミレスではちょっと淋しい気がしますよね。できれば、すてきな場所でゆったりと時間を過ごし、おいしいものを食べたいということを望むはずです。

    料亭での食事の目的が「顧客にゆったりとした時を過ごしていただくこと」だとすれば、会社の社員食堂にその料亭の料理「モノ」を出前してもらって食べても、目的とする「コト」は達せられないでしょう。

    しかし、一流料亭の料理を食べるからには、季節と調和したおいしい食事はもちろんのこと、その日を指折り数えるプロセスも楽しみたい。料亭の庭や座敷の雰囲気も、仲居さんとの会話も楽しみたいと思うものです。それが料亭で食事をする「コト」であり、その価値ありと考えるからこそ料亭を利用するのです。

    画龍点晴という言葉があります。むかしの中国で、ある絵の名人が龍の絵を描きました。その龍に晴(ひとみ)を描き入れました。すると龍は絵から飛び出し、天に昇ったということです。画龍点晴、物事の際立ったしめくくりの意味に使われます。

    エルメスを持つということは、龍に晴を描くようなものです。龍と晴、この双方が超一流だったからこそ、その龍は天に昇ったのです。蛇やミミズに晴を描いたって、飛び立つわけがありません。

     

    トータルの輪

    たとえ話が長くなりましたが、欧米人にとってエルメスを買うのは、先の料亭で食事をするようなものなのです。自分を大切に、周囲との調和を大切に、そのイベントの目的を大切にする。これが一流の欧州人の装いの感覚です。なので、単にエルメスを手に入れればいいと思う人は少ないのです。エルメスを持つためには、まず生活の水準をエルメスにふさわしくすることが先決。そう考えるのです。

    具体的には、住居、自動車、ドレス、教養、友人、社交、こうした要素の「トータルの輪」が一流になれるよう励むのです。誤解のないように、つけ加えておきますが、決して一部の金持ちだけに許されるといっているわけではありません。

    欧米では親に養ってもらっている身分でエルメスを持ったりはしないということ。狭いワンルームの部屋に住んでいるのにもかかわらず、バッグや洋服だけが一流ブランドというバランスの悪さは、欧米社会では考えられないわけです。

    なので、欧米人の社会では、ファッションセンスを磨くも躾の一環なのです。たとえば、普通の家庭でもベビーシッターに子どもを預けて、夫婦だけでパーティに出掛けるのは当たり前のことです。このとき、留守番をする子どもたちは、おしゃれして外出する両親の姿をいつも羨望のまなざしで見つめています。そうして、両親のスタイルからファッションセンスを学び、「いつか、私も」と、ステータスを築いていくわけです。トータルの輪というのは、要するに「違和感のないバランスの良さ」でしょうか。これを大切にするのです。

    つまり、物も心も教養もバランスよくレベルアップさせるのです。その先に、エルメスがあるといえます。

    この「トータルの輪」のレベルアップがバランスよくできたとき、彼女らはエルメスを装います。タンスの肥やしではなく、生活をより豊かにするために、より楽しむためにエルメスを持つのです。これならエルメスも泣きませんし、よく似合うはずです。作り手と使い手のコンビの始まりです。龍を描き上げたあとの「晴を入れる作業」です。

    エルメスを持つということはそういうことです。つまり、欧米人は「トータルの輪」を引き上げることの意識も努力もなく、エルメスを持つのは、軽蔑すべきことだと考えるのです。エルメスという「モノ」ではなく、エルメスを持つ水準に達する「コト」に意義があり、そのほうが大切であり、嬉しいと思えます。

     

    <エルメスの心>

    エルメスは有印良品

    使い手が使い手なら、作り手も作り手です。エルメスは使い手の生涯を通じて大切に使おうという気持ちに、100%応えようとしています。職人さんのなかには、刻印代わりに自分のサインを入れている人もいます。修理に出された品物は作った本人のところに届き、その本人の手で修理されることもあります。

    補修材料も揃っています。廃番が少ないので、顧客が使いきった場合は、同じ型のバッグなどを、いつでも買うことができます。愛用者にとって、これは大きな魅力です。デザインや材質をやたらと変えないからこそできることなのです。

    デザインを変えないのは、別に古い型にこだわっているからではありません。作り手も使い手も、変える必要を感じていないからです。こういう姿勢は欧州に共通するものですが、エルメスの場合は、その想いがいっそう強いようです。日本には、無印良品という名のショップがありますが、エルメスはいってみれば、「有印良品」ですね。

    バッグなどの場合、革にこだわれば、それだけでハイコストになります。工夫すれば、一枚の皮で3つの製品が作れるとします。しかし、ベストを追求すれば2つしか作れない。そういう状況のときに、エルメスは迷わず2つ作るほうを選びます。単純にいえば、これでもう4割高、素材の段階でこの調子です。縫い方や仕上げ方、すべての工程で、職人のこうしたこだわりが発揮されるわけです。作業も借しみなく時間をかけ、手間も惜しみません。

    だからこそ、使い手も職人たちのこだわりを理解し、長く愛用するのでしょう。

     

    職人、そのこだわり

    エルメス職人のこだわりは、単に製造部門だけに見られるものではありません。トップから各部門のスタッフ、さらには製造職人まで、社内すべてが一貫して一流のプロ集団なのです。

    一例として、エルメスのショーウインドウを飾る職人のこだわりをご紹介しましょう。エルメス本社のショーウィンドウのディスプレイは、実にすばらしいものです。ショーウィンドウを飾るのは、戦略の一番のポイントをユーザーに伝えるのが目的です。ですから、当然、その時々でウィンドウを飾る素材も変わります。あるときはガラス、あるときは布というように。そして、これらの素材それぞれに、こだわりの職人がいるのです。

    ある年、フランスのエルメスのショーウィンドウの前で、あまりにすばらしいディスプレイに、思わず足を止め、見入ってしまったことがあります。どう見ても本物にしか見えない果物が、たわわにウィンドウを飾っていました。思い出してみると、ざくろ、洋梨、いちじくなどです。ガラス越しに、香りが漂ってくるようでした。それに赤かぶ、うさぎや鴨という、フランス料理でおなじみの食材もありました。

    その後、私は顧問先のある一流ホテルから、オープニングのディスプレイを依頼されました。オープニングのコンセプトを聞くにつれ、どうしてもそのディスプレイに「あの果物」を使いたくなりました。そして、尋ね訪ねて、イタリアの製造元まで行きました。交渉すると、「ご注文はお受けできますが、時間がかかります。それに、お値段も安くはありませんよ・・・。」という返事でした。

    聞けば、エルメスはあのディスプレイを、ショーウィンドウに飾る一年も前に発注したといいます。一個当たりの値段は、平均で6万円ぐらいとのことでした。「あの果物」はホテルのオープニングには使えませんでしたが、このやりとりから、エルメスのこだわりと計画性を垣間見ることができました。自分の商品そのものではないウィンドウディスプレイに、これだけのこだわりを見せるのです。

    エルメスのマーケテイングは綿密です。翌年の準備のため、担当者は上得意の国である日本にほぼ一カ月滞在し、マーケティングを行います。エルメスは長期の基本戦略と、毎年のこのマーケティングの結果をもとに、翌年の活動の基本方針を立てます。このスタッフもマーケティング部門のプロです。テーマを決めるのも、リサーチも、企画するのも、宣伝も、作るのも、みんながプロ、みんなが職人なのです。

    使い手の立場に立って、見た目も使い心地も「良い品」を作る。それがトップから職人に至るまでの、共通の、そして第一の価値基準。見る目のある人に出会うことを信じて、ベストを目指して作品を作りつづけます。

     

    <エルメスとは>

    こういう心構えで製品を作っていることを、使い手のほうも十分知って評価しています。これは売り手と買い手という間柄を超えた、作り手と使い手という対等の関係です。いってみれば、仲間同士の信頼関係、団体スポーツにおける選手同士のチームワークです。家族にも似たこの関係が、彼らに素材の賛沢な使い方をさせ、良い製品を作らせるのです。

    使い手もそれを知り、それを望み、さまざまのコストと付加価値の乗った対価を当然と考え、喜んで支払います。良いものを作りたいという作り手と、良いものを手に入れてじっくり使いたいという使い手、この両者が共に創り上げているのがエルメスです。

     

    <エルメスの名品 バッグ・スカーフ・財布・時計>

    【バッグ】

    バーキン

    birkin

    エルメス5代目社長のジャン・ルイ・デュマ・エルメスが、飛行機でイギリスの有名女性歌手ジェーン・バーキンと隣り合わせとなり、ケリーバッグに無理に物を詰め込む彼女を見て、ジャンが何でも詰め込めるバッグをプレゼントしたのが始まり。現在ではエルメスを代表する人気バッグとなり、入荷したものはすべて顧客分で完売の状態が続いている。今日の店頭で見かけることはまずない。

    ケリー

    kelly

    ケリーバッグはエルメスが1935年に発売開始した当初はサック・ア・クロアという名称であった。1950年代の後半、モナコ王妃のグレース・ケリーはパパラッチからカメラを向けられた際、妊娠中であることを隠すため持っていたバッグで妊娠中のお腹をとっさに隠した。その時ケリーが持っていたバッグが雑誌に掲載されてサック・ア・クロアが世界的に有名になった。これを機にエルメスはモナコ公国の許可を得てサック・ア・クロアをグレース・ケリーの名にちなみ「ケリーバッグ」に改称した。

    ボリード

    bolide

    バーキン、ケリーとならび、エルメスのバッグを代表するアイコン。ボリードは当初「ブガッティ」という名で1920年に発表され、その名は“走る宝石”と称されるフランスを代表する高級自動車ブガッティに由来。世界最高級クラシックカー「ブガッティ」前部にあるラジエターの形(半楕円形)に似ていることから、その名がついたと言われる。

    ガーデンパーティー

    garden party

    ガーデニングをする時のガーデンツールを入れるために作ったことから由来。ガーデングローブやコテなどを入れるため、最初はトワル地で作られた。サイズや形が便利なため、庭でなく街で使えるように革で作って欲しいという要望から革の物ができ、今は革の方が人気。革のバッグはタウンバッグ(ショッピングや通勤用)として使われる。

     

    【スカーフ】

    カレ

    carre

    エルメスといえばスカーフというほどの定番アイテム。バリエーション・カラーともに豊富で、エルメスらしいデザインがプリントされている。1枚のスカーフに250個もの繭玉を使用し、その質感はとてもなめらかで、首に巻いていると心地良くサラサラ感があります。エルメスのスカーフを作っている工場では職人がシルクの布に専用の塗料を使い、その色ごとに何度も機械に職人がセッティングして染めています。エルメススカーフは柄がプリントされただけでは完成ではなく、四方を縫うという最後の作業も人間が行います。これにより、エルメスにしか出すことの出来ないハリや光沢が生まれます。代表作のカレにはすべての商品にタイトルが付けられている。

     

    【財布】

    ベアン

    beant

    エルメスのバッグというとケリーやバーキンが出てくるように、エルメスの財布といえばベアン。ベアンのデザインは非常にシンプル。チャームポイントはヘルメスの頭文字「H」をかたどったベルトバックル。バッグや時計など多くの商品にあしらわれているこのデザインは、シンプルでありながらメゾンエルメスの風格を表しています。

     

    【時計】

    アルソー

    arceau

    アルソーはエルメスのスタイルの真髄と言うべきモデル。アンリ・ドリニーによってデザインされ、鐙を思わせるデザインと、流れるようなインデックスが特徴。